第1回 |
ミカンをたくさん食べると生活習慣病予防効果!? |
今回は、(独)農研機構果樹研究所カンキツ研究興津拠点の杉浦実先生による調査結果についてご紹介します。 |
調査は、果樹研究所(静岡市)の一般公開やJAで開催される農協祭等(静岡市、浜松市北区三ヶ日町、愛知県蒲郡市)の来場者を対象に行われました。 得られた6,049名(男性2,118名、女性3,931名)のアンケート調査結果より、温州ミカンの摂取量別に各種疾患の有病(病気になっていること)のオッズ比が求められました。その結果、ミカンを毎日食べているグループでは糖尿病有病のオッズ比があまり食べないグループに比べて統計的に有意に低いことが判明しました(図1)。果物を食べることで心配されることの多い高脂血症や肥満の割合はほとんど差がみられず、温州ミカンをよく食べることで肥満や高脂血症が促進される傾向は認められませんでした。さらに、ミカンをたくさん食べるグループの高血圧、心臓病、痛風に関わるオッズ比も有意に低いという結果でした。 今回の調査により、温州ミカンを多く食べる人は、糖尿病、心臓病、高血圧、痛風等の生活習慣病の有病率が低いことが明らかになり、温州ミカンにこのような疾病に対する予防効果のあることが示唆されました。 |
図1 | |||
オッズ比 ここでは、温州ミカンをよく食べる人達が病気になっている割合と温州ミカンをほとんど食べない人達(対照)が病気になっている割合の比率をいいます。 温州ミカンを食べる人達の有病割合 オッズ比 = ───────────────── 温州ミカンを食べない人達の有病割合 |
Sugiura M, Matsumoto H, Yano M. Cross-Sectional Analysis of Satsuma mandarin (Citrus unshiu Marc.) Consumption and Health Status Based on a Self-Administered Questionnaires. J Health Sci 48: 366-369 (2002) |
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