みかん研究便TOPへ みかんの機能性一覧へ 研究の足跡一覧へ
みかん研究便へ みかんの機能性へ 研究の足跡一覧へ みかんの研究便へ 研究の足跡一覧へ みかんの機能性へ
みかんの機能性
第7回
糖尿病ラットにおけるミカンの血糖上昇抑制効果!!

 これまでご紹介しましたように、ミカンをたくさん食べることは糖尿病の予防に有効である可能性があります(第1回「ミカンをたくさん食べると生活習慣病予防効果!?」第5回「ミカンは糖尿病を防ぐ?」をご参照ください)。今回は動物を用いた研究結果についてご紹介します。なお、本研究は独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構果樹研究所カンキツ研究興津拠点の杉浦実先生らによって行なわれたものです。

 実験は、ねずみを次の3つの群に分けて行なわれました。
@正常群(正常なねずみ(Wistarラット)に通常の餌を与えて飼育)
A糖尿病群(2型糖尿病になりやすいねずみ(GKラット)に通常の餌を与えて飼育)
Bミカン投与糖尿病群(GKラットに乾燥させたミカンジュースを1%混合した餌を与えて飼育)

 1週間毎に血糖値を測定した結果を図1に示しました。正常群では実験開始から終了まで血糖値に変化はありませんが、糖尿病群では時間が経過するにつれて少しずつ血糖値が上昇しました。ところがミカン投与糖尿病群では、糖尿病群で見られた血糖値の上昇が抑えられました。



 次に耐糖能についての実験が行なわれました。この実験では、10週間飼育して1晩絶食させた後、ブドウ糖液を投与し、30分毎に血糖値が測定されました。その結果を図2に示します。正常群に比べて糖尿病群では、ブドウ糖投与後に血糖値が著しく上昇しました。ところがミカン投与糖尿病群では、血糖値の上昇が有意に抑制されていました。


 これらの実験結果から、ミカンは糖尿病ラットの血糖値の上昇を抑える効果があることが判りました。今回の実験結果と三ヶ日町での調査結果(第5回「ミカンは糖尿病を防ぐ?」をご参照ください)から、ミカンは糖尿病発症の予防あるいは進行の抑制に有効であると考えられました。




 2型糖尿病
 糖尿病は血糖値(血液中のブドウ糖量)が高くなる病気です。2型糖尿病は、インスリン(血糖値を下げるただ一つのホルモン)の出る量が少なかったり、上手に働かないためにおこる病気です。インスリンを作れない1型糖尿病もありますが、日本人の糖尿病患者はほとんど2型糖尿病であるといわれています。

 耐糖能
 一般的に食べ物を食べると血糖値が上昇します。上昇した血糖値を正常に戻す能力のことを耐糖能といいます。耐糖能が低いと糖尿病になるリスクが高くなります。




Sugiura M, Ogawa K, Yano M. Effect of chronic administration of fruit extract (Citrus unshiu Marc.) on glucose tolerance in GK rats, a model of type 2 diabetes. Biosci. Biotech. Biochem 70: 293-295 (2006)

ページのトップに戻る

Copyright 2008 Ehime Bevarage Inc. Research Group. All rights. Reserved.